2022年10月23日(日)に「“心臓病があっても大丈夫”と言える社会をつくるには?」をテーマとした、連続3回のオンラインワークショップの第3回(最終回)を開催しました。プロジェクトメンバーをはじめ、協賛・後援企業や賛同団体より15名の方にご参加いただきました。
第1回「循環器病対策基本法で何が変わるの?」、第2回「患者会って何するところ?」に続き、今回のワークショップでは「当事者の声は、どうやったら伝わるの?」をテーマに、NPO法人日本医療政策機構(HGPI)の塚本正太郎氏にご登壇いただき、医療政策決定についてのプロセスや当事者参画についてご講義いただきました。
日本医療政策機構の活動をご紹介いただいた後、政策決定におけるプロセスの複雑化などにより、当事者を中心に据えた政策を考える事が重要であることなどをお話いただきました。図を用いて、政策決定までの具体的な過程をわかりやすくご説明いただき、パブリックコメントや協議会への参加など、当事者参画の方法例についてもご説明いただきました。建設的な当事者参画が重要で、IからWEとなるよう、個人の問題を社会一般の課題に昇華させ、他のステークホルダーが理解できるよう整理して伝えることが大切だということも教わりました。講義の後には政策提言における当事者参画について参加者から積極的に質問が寄せられ、活発な質疑応答の場となりました。
参加者からは「政策に反映するためには、社会として解決すべき問題であることを示す必要があることが明確にわかり、大変有意義な公演でした。」「全てが初めて知る内容でした。いかに変化への要望や声を上げていくか、それを可視化し提言していくかの重要性とフローを分かりやすく説明いただけた時間だと理解しました。そして”誰かにとって「望ましくない状態」が必ずしも「問題」であるわけではない”という言葉はグサッと刺さりました。」などの声が寄せられました。
その後、3グループに分かれて講義の感想を述べ、循環器病対を推進する際の当事者の役割や、当事者の役割を果たすために必要なこと/足りないことについて話し合いました。
心臓でも疾患がさまざまであることから、代表として声をあげるには自分の疾患だけではなく、あらゆる知識や多くの情報を得て伝えていくことが大切であることや、政策決定に参画する当事者の選定方法などについて活発な議論がなされました。
ワークショップ閉会後に開催された交流会では、ご参加いただいた皆さんより3回のワークショップを通しての感想をいただきながら、さまざまな立場や環境でそれぞれが抱える課題なども話し合い、来年度のプロジェクトの活動に繋がる貴重な意見交換の場となりました。
ワークショップにご参加いただいた方からは「初めて参加させていただきましたが、やはり全国の方の話を聞けるのは勉強になります。あらゆる立場の方の話なので正直レベルの差を感じますが、もっともっと自己研鑽に努め心臓病患者でも安心して暮らせる社会をつくりたい。」「皆さんの意見が、多様であったこと、それが健全だなと改めて感じました」「自分と同様の感覚をお持ちの方がおられて、安心と勇気をもらいました。」などの感想をいただきました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。
ワークショップ③のアーカイブ動画(講義のみ)は準備が出来次第、プロジェクト専用ウェブサイトのメンバー限定ページに公開します。(https://ppecc.net/category/memberinformation/)
講義資料はこちらからご覧いただけます※ご覧いただくにはメンバー登録が必要です
▼参考資料:
・「市⺠・患者主体の医療政策に向けた政策提⾔書」
https://hgpi.org/research/ncd-20220701.html
・がん対策推進のアドボカシーカレッジに関する資料
https://ncdjapan.org/resources/advocacy-college/
■次回は11月25日(金)に、今年度の最終回となりますプロジェクト2022の活動報告会を開催します。詳細・申込は以下のリンクよりご覧いただけます。
▼with Heartプロジェクト2022活動報告会
https://ppecc.net/221125_houkokukai/