2022年6月19日、with Heartプロジェクト2022一般公開セミナー「病気や治療を深く理解するために-医師の視点から」をZoomウェビナーにて開催しました。
第2回となる今回のセミナーには、心臓病をもつ人やその家族をはじめ、医療・福祉に係る企業や行政、患者会や活動団体、プロジェクトに関心をもつ人など、さまざまな立場の方、45名にご参加いただきました。
初めに5月22日に開催した第1回一般公開セミナー「病気や治療を深く理解するためにー当事者の視点から」より、キーワードとしてあがった「先天性心臓病の移行期医療」「自分にあった治療の選択」「疾患・予防啓発の大切さ」について振り返りをおこないました。
セミナーの第1部では、筑波大学循環器内科の医師であり、一般社団法人日本循環器協会幹事でもある石津智子先生にご登壇いただき「情報共有の課題」「意思決定の難しさ」について、2つの症例をあげてお話いただきました。
症例1では「プレコンセプションカウンセリング‐妊娠前相談」をキーワードとして、妊娠前相談のための特別チームを有する医療施設は限られているという課題がある中で、先生が実際に取り組んでいらっしゃることや情報共有の難しさをお話しいただきました。
症例2では先天性心臓病のケースをお話いただき、移行期医療の課題や、現在の取り組みなどをお話いただき、心臓病をもつ人たちの目線に合わせ、理解しようとする先生の姿勢や努力を学びました。
心臓病をもつ人やその家族との信頼関係の構築や、医療ガイドラインやルールなど、医療・治療に関する情報提供の難しさや多くの課題がある中での先生の取り組みや、真摯に病気をもつ人と向き合う姿を知ることができ、最後に「後悔しない一つの道を(当事者が)選択し、共にあゆめればそれがゴールなのではないだろうか」という石津先生のお言葉が印象に残るセミナーとなりました。
第2部のパネルディスカッションではピーペックの代表 宿野部武志がモデレーターを務め、ご講演いただいた石津先生、当事者の立場からNPO法人日本マルファン協会理事 小竹直樹氏、行政の立場から厚生労働省 医政局総務課 保健医療技術調整官 北原加奈子氏、企業の立場からエドワーズライフサイエンス株式会社 パブリックアフェアーズ本部 本部長 児玉順子氏にご登壇いただき、「情報を提供する側」「情報を取得する側」「情報をどう活用するか」の3つのフェーズについてそれぞれの立場で議論し、さまざまな立場の力を借りながら個別問題を社会問題としていく重要性も学びました。また、参加者からも積極的に質問や意見が寄せられ、登壇者・参加者が共に学びながら情報共有ができた貴重な時間となりました。
今回ご参加いただいた方からは「このセミナーを知ることができて本当に良かったです。まさに目から鱗の連続でした。こんなにためになるセミナーを今聞くことができ涙が出そうな想いです。」「立場は違っても、課題意識は共通であり、その解決が必要であることがよくわかりました。どうしたら、それらが解決できるかを考えるフェーズに入っていると思います。」「医師、患者、行政、企業が一つになってプロジェクトを進めて行けばより良い組織が構成できるであろうと確信しました。今後とも、このような取り組みを多く組織して欲しいと思います。」などの感想が寄せられ、さまざまな立場の人が課題解決にむけて協働していくことの大切さを改めて学びました。
ご登壇いただきました皆さま、ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。
次回は7月22日に第1回意見交換会「一般公開セミナーの感想を語り合おう!」を開催します。
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◆第2回セミナーのアーカイブ動画は後日、登録メンバー限定閲覧ページに掲載します。
▼一般公開セミナー第1回のアーカイブ動画は以下よりご覧いただけます。
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